[不定期連載]フリックス・アレイ Another 〈RE〉Emperor 3
「さあ、粛清の時間だ。」
「マジで行くつもりなんですね?あの時のラングは、1人だったから逃げて行きましたが、根城にしてる公園に乗り込むとなれば、手下もたくさんいます。それに、アイツ自身のフリックスの腕は…かなりのものです…」
「問題ない。」
二人は、近所の公園「尽ヶ丘遊園」に向かう。
駅から徒歩5分ほど、住宅地の中にあるそれは、不良中学生の溜まり場になっていた。
「ほう、ここがラングの根城か。」
「手下は、10人ほどですね。」
「お前はここで待っていろ。片付けてきてやる。」
レイリアは公園の柵を豪快に飛び越え、ラングの巣食う東屋に向けて直進する。
「貴様、ナニモンだぁ?ここはラング様の根じっボゴフッ」
「お前に用は無い。失せろ。」
迫ってきたラングの手下の一人に強烈な裏拳を喰らわせ、昏倒させる。
「ラング・ラッカー。手下はもう全員寝てるぞ。机の後ろに隠れてる場合じゃ無いんじゃないか?」
レイリアは手下を全て片付け、ラングを挑発する。
「クソっ。クソが!お前さえいなければ‼︎お前がここに来る前、俺がココの支配者だった。なのに、お前が来てから全て台無しだ!」
ラングは憎しみを全面に押し出し、机の陰から這い出る。
「お前がそんなんだからこうなるんだよ。弱いものを貶め、自分の強さを誇示して支配する。それは弱いことと同義なんだ!」
「黙れ黙れ黙れぇッ!」
「お前の辿る道を、今ここで正してやる…!」
東屋の机を間に挟み、二人が鋭い視線を交わす。そして、二人同時にフリックスを取り出した。
「ストライカー、お前の初陣だ。駆け抜けてみせろッ!」
「アグリィナックル、アイツを潰すぞ!」
両者が機体をフィールドにセットすると、ワーナーが駆け込んできた。
「えー、審判は私エレン・ワーナーが務めます。」
「…⁇⁇」
いきなりの出来事に、レイリアは訳が分からず立ち尽くしている。
「ほら、戦うんだったら公正な方がいいでしょう?」
小声でレイリアに言う。
「では、上級アクティブバトルで行きますよ〜」
「3.2.1.アクティブシュート!」
レイリア、ワーナー、ラングの声が尽ヶ丘遊園に響く。
戦いの火蓋は切って落とされた。
[第3話 BEGINNING 完]